台湾をはじめ中華圏でいまや知らない人はいないという絵本作家ジミー〈幾米〉は、1998年にはじめて《森林裡的秘密》和《微笑的魚》を発表し、それ以降も「ターンレフト・ターンライト」「地下鉄」など有名な作品を数々出版してきました。
現在、すでに45作もの絵本を出版し、優しくあたたかみがあり、ファンタジーな作風で台湾をはじめアジアに「大人の絵本」という新しいジャンルを創りだしました。
これまで絵本の出版以外に、アニメ化、映画化やグッズなどの展開をしてきたが、絵本の世界を表現したフィギュアはジミーの象徴ともいえる芸術作品となっています。
2008年から2014年には台湾をはじめ、香港、中国大陸でも絵本の世界感を表現した大型オブジェの展覧会を開催。
公共の場所に、アート作品を設置する経験も多数あり、近年では、ジミーの出身地でもある宜蘭(イーラン)県の宜蘭駅前にジミー広場(幾米廣場)が作られました。
ジミーの世界が再現された広場には、全長30メートルにもおよび"空飛ぶ列車"が飾られ、駅舎からは強大なキリン像が顔を出して、観光客を出迎えてくれています。
そんな中、今年、絵本の出版以外の作品展開をはじめて15年目という節目の年を迎え、野外で行われる世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」に参加することを決定しました。
■絵本「幸せのきっぷ Kiss & Goodbye」
越後妻有と列車を舞台に都市と地域のつながりを描いた作品
ひとりぼっちになった少年は列車に乗って旅に出る。
里山の四季を織り込みながら犬のプリンとともに
思い出の詰まったトランクを抱えて—。
彩り豊かに描く癒しと再生の物語。
〈日本・台湾同時出版〉
■作品「Kiss & Goodbye」
絵本「幸せのきっぷ Kiss & Goodbye」の世界を再現したオブジェ
1.「土市駅」
2.「越後水沢駅」
絵本「幸せのきっぷ Kiss & Goodbye」を片手に、越後妻有という地で表現されたジミーの世界をたくさんの人達に感じてほしいと思います。
ジミー・リャオ〈幾米〉
1958 年生まれ。台北在住の絵本作家。
白血病を患ったことがきっかけとなり、1998 年より絵本の創作を始める。
1999 年刊行の『君のいる場所』がベストセラーとなり、台湾で大人の絵本ブームを巻き起こし、ワーナー・ブラザーズより金城武主演で映画化された。
これまでに 50 を超える作品を発表し、世界 15 ヵ国以上で翻訳出版されている。
作品の多くはミュージカルやテレビドラマ、映画になり、『ほほえむ魚』は第 56 回ベルリン国際映画祭で短編映画賞を受賞。
国内外の出版文化賞、児童文学賞も多数受賞している。
ジミー日本語 公式サイト : http://jimmyspa.weebly.com/
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」とは
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、「人間は自然に内包される」を基本理念としたアートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。
会期:2015年7月26日(日)~ 9月13日(日) 50日間
開催地:越後妻有地域 (新潟県十日町市、津南町) 760㎢
公式HP:http://echigo-tsumari.jp/