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【イベント情報】9/21〜9/29京都で初の個展 アメリカ人アーティスト エリカさんの描く日本の四季

「日本ではその月その月がとても特別なんです」(エリカ・ワード)

 

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9月21日(土)から9月29日(日)まで、古都・京都で水彩画アーティストのエリカ・ワード(Erica・Ward)さんによる個展「年月~としつき」が開催されます。テーマは、日本の四季。エリカさんが感じた日本の四季を水彩画で表現します。

ADCnewsでは、これまでエリカさんの作品を何度か紹介してきました。

 

 

今回は、個展に向けて制作中のエリカさんを取材。個展へかける思いを伺いました。

 

個展のキーワードは「時の流れ」

春、夏、秋、冬と四季がある日本に魅力を感じたエリカさん。今回の個展「年月~としつき」では、キーワードを「時の流れ」と決めました。作品では「日本」と「京都」の2つのテーマでエリカさんがみた季節の移ろいを描きました。

 

シリーズ《年月》:エリカさんの定番の作品でもある美人画と日本の季節を掛け合わせた水彩作品。月ごとに1人づつ12人の女性で彩ります。

シリーズ《京都の季節》:京都ならではの1年を、食、建物、行事、自然、風景など様々な要素を描き、余すことなく京都の日常を表現したカレンダー。6枚の作品となっています。

 

エリカさんの目で見た日本と京都の季節感を存分に楽しめる内容となっています。

 

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インタビューに答える水彩画アーティスト エリカさん

 

京都で初めての個展

きっかけはSNSでした。ギャラリーのオーナーさんが、エリカさんのInstagramで作品を目にし、その作風と会場の雰囲気がピッタリということで、個展をやってみないかと依頼。その後エリカさんは京都まで足を運び会場を見学。ギャラリーは日本的な雰囲気が漂う昔ながらの京都らしい建物で、作品が際立つ空間だと感じたエリカさんは、快諾したのだそうです。

移り変わる1年をテーマにシリーズ作品を作ってみたかったと話すエリカさん。以前から興味があった日本の季節を題材に出来たことにわくわくしているそうです。

 

日本の四季を描いたシリーズ《年月》12作品

エリカさんのアトリエにお邪魔したのは8月の中旬。作品製作の真っ只中でした。

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製作の様子

「日本は毎月必ずその月のシンボルとなるようなものがあります。例えば、スーパーマーケットに行けば、いつも季節に合わせた装飾がほどこされ、季節に合わせた食材が売られています。変化に富む日本のスーパーマーケットの雰囲気が大好きです。クリスマス、お正月、成人式、節分、桜、鯉のぼり、アジサイ、台風、紅葉、雪・・・と、四季を忘れることがないです。」
と、話すエリカさん。

 

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日々の生活の中からエリカさんが切り取った日本の四季は、私たち日本人にとっても新鮮に映る作品となっています。

 

作品をご紹介します。

 

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《七夕》(7月)
 

 

日本の7月の風物詩と言えば、七夕。色とりどりの短冊が装飾された竹と、星が散りばめた着物をまとった女性の水彩画。明るく鮮やかな色合いは、作品全体に魔法のような不思議な世界観を作り出しています。着物の星々は銀河、すなわち天の川をイメージさせたもので、七夕ならではのコーディネートに仕上がっている1枚です。

 

エリカさんの故郷はカリフォルニア。日本ほどの寒暖差はなく、四季の変化は芝生の色から感じるなど僅か。もしかしたら、カリフォルニアで育ったエリカさんの方が季節の変化に敏感なのかもしれませんね。 

 

シリーズ《京都の季節》6作品

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製作の様子

実は、京都は思い出深い場所。名古屋の大学に留学にした時は、京都に観光で何度も行き、その魅力に惹かれていきました。さらに、京都へのアクセスが良い大阪に住んでいた時は、1カ月に1回は訪ねる常連でした。地元の友人の家に泊まりながら、観光客というよりは生活者のように京都で過ごし、ゆったりと時の流れを感じながら、古都の空間を満喫したそうです。

 

「京都の人は自分たちの伝統にものすごく誇りを持っている。」

そう話すエリカさんは、京都の観光地だけでなく、暮らす人々にも目を向けてきました。その中で、多くのインスピレーションを得たと言います。

 

作品をご紹介します。

 

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《福の年が始まる:京都の1・2月》

 

新年を迎える京都の雪景色と行事を表現した作品です。1月上旬に、ゑびす神社で行われる商売繁盛・家運隆昌を祈願する初春のお祭り「十日ゑびす大祭(通称:初ゑびす)」や、舞子さんが豆まきをする2月の節分など、京都ならでは行事が描かれ、成人式や節分など日本の一般的な行事を題材にしつつも、地元の雰囲気がしっかりと感じられる1枚です。

 

エリカさんは、作品を作るにあたり、自身の京都での体験だけでなく、図書館やインターネットで京都を調べて、自分がイメージする「京都」と実際の「京都」とのバランスが取れるように意識したそうです。また、作品にはエリカさんにとっての発見が散りばめられていますので、ぜひ個展で探して見てください。

  

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きめ細やかな筆運びで色付けをしていく

京都と東京は、どちらも現代と伝統を感じる場所ではありますが、その在り方に違いがあるとエリカさんは言います。

 

「東京は高層ビルが立ち並ぶ利便性を追求している現代の空間に、寺社や石碑などがひっそりとあり、歴史の積み重なりが感じられ、江戸時代の精神が根付いていますが、京都は今まさに現代と伝統が立ち並び、一望できる空間だと思います。」

 

高層ビルに囲まれている東京は常に変わり続けている街ですが、掘れば掘るほど、街の歴史や昔ながらのたたずまいなど色々な形跡が見えてくる場所。その一方、京都は現代と過去が同じ空間に存在し、歴史が流れている。あの有名な鴨川に行けば、平安時代の人がどんな生活をしていたかが想像出来、歴史上のものとしてだけではなく、実際に今も存在するものとして見ることができるのが京都の魅力だとエリカさんは考えます。

 

昔の人が眺めてきた景色が今も残る京都には、東京にはない現代と伝統の共存空間があることに今回私も気づかされました。

 

北斎の絵には、両国橋から富士山が見える作品があるけれど、今はその景色は見れません。でも、その景色は記憶として積み重なり、今の人たちにも受け継がれていると思います。」

エリカさんの鋭い観察力から日本の姿を教えてもらっている気がしました。

 

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インタビューに答えるエリカさん

最後に、エリカさんからメッセージを頂きました。

「この個展を通じて、日本の各月の美しさを堪能してもらい、時間の流れを感じもらい、各月へのイメージを掻き立ててもらえたらうれしいです。それぞれの月がとても特別だってことを感じて頂ければ嬉しいなと思います。」

 

今回のインタビューで私が印象に残ったのは、エリカさんの故郷・カリフォルニアの夏は日本のような夏雲はなく、乾燥して、雲の一つない真っ青な空だということ。その為、日本で当たり前のように見る雲1つでさえもエリカさんには新鮮に感じ、ここでの生活は、発見の連続だそうです。

なにげなく流れていく日本の日常。しかし、海外の人から見れば、実はとてもユニークで、面白さと奥深さがある。芸術の秋にふさわしい、日常に隠れた日本の魅力を発信してくれるエリカさんの個展にぜひ足は運んでみてはいかがでしょうか。

 

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個展情報

【個展名】年月〜としつき

【開催時期】2019年9月21日(土)〜 9月29日(日)11時~18時 *入場無料

*休廊日 9月24日(火)、9月27日(金)

【作家在廊日】21日(土)、22日(日)、23日(月)13時~17時

【場所】ジェイ・スピリット・ギャラリー

【住所】京都市中京区衣棚通三条上ル突抜町126「ちおん舎」内 

Facebookページ】https://www.facebook.com/events/374725270087850/

【ギャラリーWebページ】https://j-artist.com/2019/08/18/erika/

【最寄駅】烏丸御池駅

【主催・連絡先】J-spirit Gallery 

info@j-spirit.com

075-255-4743まで

 

 

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