アフリカ西部に滞在している弊社スタッフから、レポートが届きました。
アフリカ最大の映画祭で国際テロ組織「IS」をテーマにした映画が上映されたそうで、監督は身の危険を顧みずに登場したとか。その勇気ある行動を讃えた記事です。是非、ご一読ください。
近くに潜むIS・イスラム国 〜映画『ティンブクトゥ』〜
IS・イスラム国は日本の新聞各紙・報道番組でも国際ニュースとしてバリューが高いですが、いま私が暮らす西アフリカでは当事者として連日のようにトップニュースで取り上げられることが多いです。
武装したイスラム過激派によって占拠された街に暮らす人々を描いた映画『ティンブクトゥ(仮題)』が2015年の冬、渋谷ユーロスペースから順次全国で公開されることになりました。フランスの映画賞・セザール賞で7部門を受賞し、アメリカのアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされ、日本でも話題になることは間違いない映画『ティンブクトゥ』。
<映画『ティンブクトゥ』>
西アフリカ最大の映画祭『FESPACO(フェスパコ)』の授賞式に2015年3月参加した私は映画『ティンブクトゥ』の監督アブデラマン・シサコ氏にグランプリを逃した直後、話を聞きました。
<シサコ監督と筆者>
筆者「グランプリ受賞ならず残念でした」
監督「マリに近い国での映画祭だから仕方がないね」
筆者「受賞を逃したのは政治的な理由だと考えますか?」
監督「そんな話より君は日本人か?珍しいね」
映画の舞台となった隣国マリからの刺客がその場にいる可能性も否めない状況で、シサコ監督が堂々と振舞っているように、私の眼には映りました。各メディアからの質問にも多くを語らなかった姿が印象に残っています。シャルリー・エブド事件の直後であり、映画祭事務局が上映を取りやめると一時発表したこともありました。が、実際に行われた2度の上映は3時間半前にチケットが完売となるほど盛り上がりを見せましたが、大きな混乱には至りませんでした。
<上映前の様子>
イスラム過激組織に抑圧された生活を送る中で、輝く女性と無邪気な心が切なくも悲しい映画『ティンブクトゥ』。イスラム教徒の厚い信仰心を踏みにじる過激派組織を、私たちは決して認めてはいけない。
筆者:猫と夢