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【中国新疆で活動を続ける日本人】必見!中国の文化遺産保護の裏側を記した貴重な実録本出版

 


中国シルクロードの貴重な遺跡の保護活動を記した本が発売されました。

 

先月出版された「中国新疆36年国際協力実録」が専門家たちの間で大きな反響を呼んでいる。著者は、新疆ウイグル自治区文化遺産の保護をはじめ小学校の建設や奨学金の設置、井戸の掘削など、様々な面で国際協力を推進してきた小島康誉さん。小島さんが最初の保護に取り組んだ遺跡は、中国4大石窟の一つ「キジル千仏洞」。2014年に世界遺産に登録された遺跡だ。かつてシルクロードの要衝だった天山山脈のふもとクチャ付近にあり、日本への仏教伝播に欠くことのできない重要な遺跡である。小島さんがキジル千仏洞に出会ったのは、36年前。その保護に始まり、ニヤ遺跡やダンダンウイリク遺跡の発掘保護と長きにわたったおこなってきた。当書籍は、その実録を詳細に具体的なものを提示しながら記しているのだ。

 

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                         「中国新疆36年国際協力実録」 表紙

 

 この本の見どころは、840点に及ぶ写真と資料だ。特に、資料はこれまで公になってこなかった契約書やそれに関連するものなどがふんだんに掲載されている。当時の中国は、改革開放が始まったばかり。地方では文化大革命の影響がまだ残り、外国との民間交流をどう進めていけばよいのか手探りの状態。外国人とどのように付き合うべきか、外国からの資金援助をどう受けるべきか、など現地での試行錯誤の様子をうかがい知ることができる。

 

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                   契約書など書類  「中国新疆36年国際協力実録」より

 

 さらに豊富な写真は、当時を知る由もない我々読者のイメージを補うのに十分な質と量である。キジル千仏洞を修復するための足場は、竹や木材で組まれていてその1本1本までも鮮明に見ることができる。まだ昔の人民服を着ている人も散見され、30年前の中国を知ることができる。大国を自認する中国のビフォー・アフターが分かる記録だ。

 

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                 キジル千仏洞の修復 「中国新疆36年国際協力実録」より 

 

 ニヤ遺跡の発掘の様子を伝える場面では、発掘調査の困難さを知ることもさることながら、その発掘をするまでの過程やノウハウも克明に記録されている。これは、後世の研究者や若者たちにとってかけがえのない情報となるはずである。

 

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                   砂漠を行く写真 「中国新疆36年国際協力実録」より

 

 最後に小島さんの功績を象徴するものが、国宝「五星出東方利中国」と織られた旗である。しかし、これはあくまで象徴であって、その裏側にある氏の苦労や喜びはどれほどのものだったのか。氏の続けてきた国際協力により、どれほどの中国の人が幸せになったのかは、想像もできない。

 小島さんは、これまでの活動の総決算と位置付ける当書籍は、そんな見えないところも想像させる貴重な本である。是非、必見ください!

 

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                                                                                  国宝 五星出東方利中国 「中国新疆36年国際協力実録」より

 


 

記事:永野浩史

小島さんのブログ

シルクロード国献男子30年 | ADC文化通信
国献男子ほんわか日記 | ADC文化通信

 


以前ご紹介させていただいた小島さんの記事です。 

 

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